
ヘッドピースな可能性 平野かおり x Misha Janette


K:
出身はアメリカですよね。なぜ活動を東京に選ばれたのですか?
M:
私が高校生の時、インターネットブームでした。そこで「Japanimation(ジャパニメーション)」という、日本のマンガらしい色使い、例えば髪の毛が黄色とか、形など、とても斬新で衝撃を受けました。それで、学校が西宮市と姉妹都市だったので交換留学をさせてもらって。楽しかった記憶がずっと残っています。
K:
その時からファッションは好きだったのですか?
M:
もちろん。そして高校を卒業して、文化服装学院に入学しました。初めて渋谷に行った時は、「渋谷の交差点は世界の真ん中だ!」と感じましたね(笑)「この交差点に住みたい!」とも思いました。日本の子はいい意味で西洋人とセンスが違うな、と思います。
K:
例えばどんなところですか?
M:
テイストのバリエーションが多い。例えば、「ギャル系」「ロリータ系」「古着系」など。

K:
そういう東京のファッションをどう思いますか?
M:
すごく自由だな、って思います。大好き。意外かもしれませんが、東京ではどんな格好をしていても、他人から指をさされることはほとんどない。でも、海外だと「何あの恰好?」って顔をされることも結構あります。でもメリットもあって、NYタクシーがつかまりにくいけれど、私の場合は目立つからすぐ止まってくれる(笑)
K:
確かに(笑) NYって憧れの街です。
M:
うーん、NYは…。パワフルな街ですね。そして、常に自分が登っていないといけない場所だと思う。だから、常に落ち着かないというか。だから、物事のスピードもとても速い。
K:
具体的に言うと?
M:
例えば、NYは、「これだ!」と思ったらみんながすぐ動き出す街。でも日本は違う。考えることが多すぎて、なかなかすぐ進むのが難しい。どちらの街も相手との関係性をすごく重要視しているけれど、早くビッグになるためにNYでは人との関係が最重要かもしれない。私も今、自分のプロジェクトを持っていますが、少しづつ関係性をつくって前に進んでいます。

K:
Mishaさんのヘッドアクセサリーやファッションについてもう少し聞かせてください。
たくさんの素敵な帽子やアクセサリーをお持ちですが、ヘッドピースを被りこなすコツは何ですか?
M:
そうですね…。コツではないかもしれないけれど、「自分の頭を使って作品を見せる」という感覚かも。いろんな帽子デザイナの方が「被ってください」と言ってくれるのがすごく嬉しい。あと、私には「帽子」の印象が強くて「帽子デザイナー」だと間違われるけれど、それは帽子デザイナーさんに失礼。何年もかかってこのスキルを持っているデザイナーさんを、私は尊敬しています。でも、デザインはちょっとしてみたい(笑)。
K:
私もMishaさんをイメージするならアーティスティックな帽子を作ってみたいと思います。
M:
ありがとう。そう、それとファッションとのスタイリングのコツは「その日のフィーリング」ですね。
K:
真似しずらいですけどね…。

K:
Mishaさんにとってファンタジーの世界とは?
M:
ファッションは、単に機能的に服を着るというだけでなく、ファンタジーの要素がないとつまらない。そうでないとマジックが起こらないと思う。だってマジックが起こったら楽しいと思いませんか?
K:
確かにそうですね。
M:
そしてファッションの楽しさは、自分の世界観をつくれること。私の場合、全てはファッションから始まっていると言ってもいいかも。そんな世界の楽しさを、私は広い意味で〝ファション編集者″として作っていけたらと思います。そして、私はこういう東京の街にいて、最近ようやく「自分の世界観を確実にしたかな」と思っています。
K:
東京の街の影響でしょうか?
M:
そうですね。ちょっとポップで、独特なスピリットがある。例えば、このお店「harcoza」もそう。日本人のデザイナーの作品も、キッチュで東京っぽくもあるし、海外から友だちが来たら絶対ここを案内する。最近の東京は総じてポップな感じ。でも来年はどうなっているかわからないけれど…。今はそうだけれど、街もそろそろモードに行くような気がする。レディ・ガガが履く前から、ノリタカ・タケハナの靴はモードの一環として私も履いてみたりしています。
K:
東京以外で注目している街やファッションはありますか?
M:
中国かな。人口も多いし、流れも面白い。
K:
これからもぜひ注目させてください。今後もいろんな表現を楽しみにしています。
M:
ありがとう。実は、いつか日本に留学した時のことをマンガを描きたいと思っています!またね。